カテゴリー: 物理学

No.300「ジャパニーズ・アトラクタ」


今日の方程式。
ジャパニーズ・アトラクタを示す
微分方程式。

カオスの先駆的な研究の一つです。

フックの法則に従わない
ばねの運動を再現します。

この方程式を満たすxとyは
カオス軌道を描きます。

これを発見したのは
当時京都大学大学院生だった、
上田睆亮(よしすけ)。
1961年のことでした。
当時はカオスという言葉もなく、
日本国内では注目されませんでした。

同じくカオスを示す
ローレンツ・アトラクタ―は
1963年の論文で報告されました。

その後上田の発見は1980年の
フランスの数理物理学者による論文で
日の目をみることとなります。

さらに上田は、この発見のまえに
1961年、カオス軌道を示すモデルを
すでに発見しています。

1960年代初めごろは、
世界でも同時多発的に
カオスが発見されていたのですね。

これはコンピューター技術の発展が
深く関わっていそうです。
うーん、どうしても長くなってしまう。
それはまた今度…。

作成者:

おおむねひまにしています。今年札幌を離れました。人がほどほどにいて、町が広くて、文化施設と自然もあるところが好きです。北海道大学大学院 物性物理学専攻卒のサイエンスライター。

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